~上杉鷹山~ Readerるみvol.2

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★どんな本

九州の小藩からわずか17歳で名門・上杉家の養子に入り、出羽・米沢の藩主となった治憲(後の鷹山)は、破滅の危機にあった藩政を建て直すべく、直ちに改革に乗り出す。
ーーー高邁な理想に燃え、すぐれた実践能力と人を思いやる心で、家臣や領民の信頼を集めていった経世家・上杉鷹山の感動の生涯を描いた長篇。

★どんな著者

童門 冬ニ(どうもん ふゆじ)
1927年10月東京生。44年海軍土浦航空隊に入隊するが翌年終戦。戦後は東京都庁に勤務。知事秘書、政策室長などを歴任。
退庁後は歴史小説やエッセイを執筆。組織と人間をテーマに講演活動も積極的に行う。

★学び

この日、鷹山は新藩治広に、「人君の心得」として、つぎの三条を示した。
一、国家(この場合は米沢藩のこと)は、先祖から子孫に伝えられるもので、決して私すべきものではないこと
一、人民は国家に属するもので、決して私してはならないこと
一、国家人民のために立ちたる君(藩主)であって、君のために人民があるのではないこと

世間では「伝国の辞」と呼ばれており、
この辞を読んだとされるアメリカのジョン・F・ケネディ大統領は、もっとも尊敬する日本人として上杉鷹山の名を挙げている。日本の政治家として、何よりも国民の幸福を考え、民主的に政治を行った鷹山の姿に、ケネディの理想とする政治家の姿を見たのである。

鷹山の、時代の大局を見据える洞察力や信念を貫き通した実行力、忍耐の大きさは小説を読み進める中で幾度となく垣間見ることができる。どんな絶望的状況でも複眼の思考方法を持ち、歴史の流れを良く見つめ、閉塞状況の中であってもその壁を突破する道はあると、柔軟な思考と果断な行動力で理想を現実と化した。率先垂範、先憂後楽な日常行動は、鷹山が贋物ではなく本物の誠実な人間であると汲み取る多くの人の心をうったのだ。鷹山の藩政改革が成功したのはすべて、他人へのいたわりや思いやりであり、限りない愛情を注ぎ、痛みをおぼえなければならない人々への愛を惜しまなかったからであり、その優しさが人間の心に愛という心を甦らせたのだ。作者は、これらの核心をなすものとして「愛」と「徳」の言葉を用い、正しいと信じる道を確固たる足どりで歩き続けた鷹山の全てを綴っている。

鷹山のような生き方が人の心を動かし、社会をも変えてきた。彼の成功の源となったのは「愛」であり、それはどんな成功であっても必要不可欠なものである。誰かの為に役に立つ事が仕事の本質で、尚且つ愛がそこになければ成功は成し得ないとしたら、成功する為に必要不可欠な愛とはどのような愛だろうか。家族幸せにしたいという家族愛や、恩師やお世話になった人への恩返し、会社をもっと良くしたいという会社への愛、日本を更に誇れる国にしたいという自国愛、様々な愛の形があるはずだ。そしてその愛を信念に持ち、決して曲げることなく突き進んだ先に求めている成功が存在するのであろう。また、鷹山は1人で藩政改革を成し遂げた訳ではない。彼を尊敬し力を尽くしてくれた同志がいて、彼の誠実さに心を打たれ協力してくれる藩士がいて、全ての人の支えがあったからこその成功だったのだ。上杉鷹山の生涯を通して、人としてあるべき姿や人を大切にするという事に気付くことができる。たった一度の人生を、いつ終わりが来るか分からないかけがえのない命を、どう生きるか、何に命を使うか。そんな事を考えさせてくれる1冊であった。

★こんな人にオススメ

・歴史小説が好きな人
・上杉鷹山をもっと知りたい人
・リーダーシップについて学びたい人
etc…

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