~赤ずきんとオオカミのトラウマ・ケア 自分を愛する力を取り戻す[心理教育]の本~ReaderたけをVol.1

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赤ずきんとオオカミのトラウマ・ケア

★どんな本

トラウマはなぜ苦しみを引き起こす?
被害と加害はなぜ繰り返される?
どうしたら楽になれる?
赤ずきんとオオカミによる物語仕立てで、
トラウマ記憶のしくみ、回復のプロセス、
さまざまなアプローチを学んでいける。

医療・保健・福祉・司法・教育などの
場でトラウマを受けた人と関わる
スタッフのために、支援の原則や
症状への対応などについても
解説している本。

🌟目次
1章「トラウマを受けた人に伝えたい7つのこと」
2章「慢性的なトラウマが引き起こす症状」
3章「トラウマからの回復 7つのステップ」
4章「災害トラウマの特徴と身体からのアプローチ」
5章「支援者が知っておきたい大切なこと」

★どんな著者

白石美也子
精神科医・臨床心理士
「こころとからだ・光の花クリニック」院長

浜松医科大学卒業後、
国立療養所天竜病院小児神経科・精神科医長、
浜松市精神保健福祉センター所長、
国立精神神経センター臨床研究基盤研究員、
昭和大学特任助教など。
虐待・DVをはじめ対人暴力被害による
トラウマ治療に一貫して関わり、
トラウマの連鎖を防ぐため、
乳児院・児童養護施設・出産を扱う婦人保護施設
などでの活動にも力を入れてきた。
2011年より東日本大震災後の
学校支援に携わる。2013年に開業。

★学び

誰にでも起こりうる

“トラウマとは、心的外傷ー
すなわち心に受けた傷のことをいいます。
犯罪被害や交通事故など
一度の打撃による傷もあれば、
子ども虐待やドメスティック・バイオレンス(DV)
など繰り返される慢性的な傷つきもあります。
こうしたさまざまなタイプのトラウマは、
心身、そして対人行動にも影響を与え、
その人の人生を困難にします。”

私にはトラウマがありました。
それは、地震による揺れです。

小学四年生の秋、
土曜日のいつもより早い晩御飯の時間、
いつもより豪華なすき焼きを目の前に
突然その揺れは私たち家族を襲いました。

その時の衝撃や、
訳のわからない不安や恐怖、
終わらない揺れとゆらゆらしているスイッチ紐、
暗い部屋とどこかから聞こえる人の声。

これらはずっと忘れることがありません。

この経験からわたしは、
①花火が嫌いになる。
②雷が嫌いになる。

この2つが顕著に表れていた時期があります。

私の地元では有名な花火があるのですが、
その花火が打ち上げられると地響きがして
かすかに家が揺れることがあります。

雷が鳴ると、
近所で飼われている小さな犬が
止まることなく鳴き続けます。

どちらも、間接的に地震の時の記憶を
蘇らせる出来事でした。

私は今、地震の経験を挙げましたが、
このように同じ経験をしていても、
同じ感情やトラウマ経験を
している人はいません。

そして、同じ経験があるからといって、
他の人の気持ちを理解しきることは出来ません。

本書で挙げられる「トラウマ」は
生きていれば誰にでも起こり得るものです。

だからこそ、このトラウマとは何か、
どう現在に影響しているのか、
症状を理解し、まず受け止めてあげることや、
トラウマからの回復やアプローチ方法を学びたい。
と感じ、読み始めることができました。

また、このようにトラウマを抱えている人が
世の中にたくさんいるのだとしたら、
当事者に出会う可能性があります。
だからこそ、この物語調で解説されている本で
理解を深めることが必要であると感じています。

症状であるという理解

“子どもは、大人の場合と違って、生死に直接
かかわらない出来事がトラウマになることがあります。
養育者から身体的虐待を受けたり、「おまえはダメな子だ」とか
「生まれなければよかった」とののしられることは、
慢性のトラウマになります。
父親が母親に暴力をふるうなどDVを目撃することも、
衣食住をはじめ子どもが必要とする世話や関心を与えないことも、
親との分離や養育者・養育の場が頻繁に変わることも、
子どもにとってはトラウマとして残ります。
もちろん、性的虐待を受けることは、
深刻で複雑なトラウマとなります。”

虐待が及ぼす影響には精神的影響と身体的影響が存在します。
養育者からの虐待の場合、
「自分を愛する人は自分を傷つける人だ」と学習をし、
他者への基本的信頼感が損なわれ、

「また親に叩かれるのではないか?」
「親は自分を見捨てるのではないか?」

と不安と 恐怖を抱いて生活することによって、
常に高い緊張を強いられています。

“虐待の場合には、わけもなく被害を受けるという
「異常な体験」が繰り返されて日常となってしまうのです。
すると、自分がおかしいのか、他の人がおかしいのか
わからなくなり、自分や世界に対する考えが揺らいでしまいます。
身体や心に、より深刻な影響を及ぼすことになります。”

本書では、トラウマ研究の世界的権威である
ベセル・ヴァン・デア・コークによる統計学的手法を用いた
「DESNOS」という診断基準の試案が作られ、
慢性化したトラウマが引き起こす状態を理解するのに役立つとして
A~Eまでの5つの症状として、説明されています。

異常が日常として、頭に張り付いてしまっているものを
「症状」として、理解していくことが回復の道を照らすヒントとなります。
決して相手の気持ちが理解しきれない体験だとしても、
症状として受け止めてあげることは、
回復の手助けをする体験をしていなくとも出来る役割です。

★こんな人にオススメ

トラウマ支援に関わる人
当事者として自己理解を深めたい人
回復に必要な疑似体験のツールとして活用したい人
etc…

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