
★どんな本
なぜ我々は「志」を抱いて生きるのか
この書を読み終えた時、人生の最後の日に
「最高の人生だった」と語る覚悟が定まる。
我々の人生は、長くとも百年。
それは 一三七億年という宇宙の歴史や、
四六億年という地球の歴史に比べるならば、
まさに「瞬き」をするほどの短い時間。
★どんな著者?
田坂広志さん
多摩大学大学院教授/
シンクタンク・ソフィアバンク代表
2000年、多摩大学大学院教授に就任。
社会起業家論を開講。
同年、シンクタンク・ソフィアバンクを設立。代表に就任。
2003年、社会起業家フォーラムを設立2010年、4人のノーベル平和賞受賞者が名誉会員を務める
世界賢人会議ブダペストクラブの日本代表に就任。
★学び
①2つの未来
君たちはこれから「2つの未来」を切り開く。
1つは「自身の未来」
そしてもう一つは、「人類の未来」
君が、自身の未来を切り拓くということは、
実は、人類の未来を切り拓いていくということ。
君が、君の素晴らしい可能性を実現するということは、
そのことを通じて、人類全体が、一つの可能性を実現していくということ。
では、どうすれば、君は、自身の未来を
切り拓いていくことができるのか。
どうすれば、君は、目の前に聳え立つ、
人生という名の山を、登っていくことができるのか。
そのために決して忘れてはならないことを、伝えておこう。
「志」を抱いて生きる。
そのことを、決して忘れないでほしい。
それが、君が未来を切り拓いていくために、
この人生という名の山を登っていくために、最も大切なことだ。
では、「志」とは何か。
与えられた人生の中で己のためだけではなく、
多くの人々のために、そして世の中のために、
大切ななにかを成し遂げようという決意。
それが志。
それを抱いて生きる。
②悔いのない人生を生きる
人には真実がある。
その真実と時に目を背けたくなる。
その真実を見ることが辛くなる。
しかし、誰もが若き日にその真実と向き合うべきもの。
「人は必ず死ぬ」
という真実。
そしてもう一つの真実。
それは「人生は一度きり」という真実。
この真実と向き合った時自ずと頭に湧いてくることがある。
それが「悔いのない人生を生きたい」ということ。
そのために何ができるか。
哲学者のニーチェはそのことに対して
「永劫回帰」
という思想を残している。
「もしお前がもう一度今と同じ人生を生きよと言われればYesと言えるだろうか。
もしお前がこの人生と全く同じ人生を何度も何度も
永遠に生きよと言われればYesと言えるだろうか。
その永劫に回帰する人生を、喜んで受け入れるだろうか。」
この問いかけにYesと回答できる人生こそ
「悔いなき人生を生きる」
ということに他ならない。
③我々が為すべきたった一つのこと
それは、我々に与えられたこの時代を
よき時代にするために力を尽くして歩むこと。
それが我々が為すべきたった一つのこと。
もし我々がこの時代を良き時代とするために
力を尽くして歩むことができたなら、我々は未来の世代に大切なことを伝えることが出来る。
我々の志。
それを伝えることが出来る。
もし我々が力を尽くして歩むならその後ろ姿を通じて、
我々の志は次の世代の志となる。
「志」とは、世代を超えて伝わっていく時、本当の意味での「志」となる。
我々の志はそれが大いなるものであれば、一つの世代では実現できない。
だから、我々はその「志」を次の世代に伝える。
その「志」を次の世代に託す。
しかし、「志」を次の世代に託すためには、我々に、一つの資格が問われる。
その「志」のために力を尽くして歩んだのか。
そのことが深く問われる。
その深い問いに対して、真っ直ぐにイエスと応えられる時、
我々の「志」が次の世代に伝わるだろう。
それこそが「永遠の命」。
この言葉の本当の意味は「決して死なない」ということではない。
「世代を超えて永遠に受け継がれていくもの」
それがこの言葉の本当の意味。
我々一人一人の命には限られた短い時間しか与えられていない。
それは一瞬の命。
しかし、我々の「志」が次の世代に、
そしてさらに次の世代に、受け継がれる時、
我々はその世代から世代への連なりの中に
「永遠の命」を得ることが出来る。
★こんな人にオススメ
*今を生きる全ての人
*志を定めたい人
*特に若い世代の人
etc…