~はじまりは愛着から 人を信じ、自分を信じる子どもに~ Readerたけをvol.2

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はじまりは愛着から

★どんな本

雑誌「暮しの手帖」で5年にわたり連載されてきた原稿が
あらためてまとめられたもの。
「感動と意欲の源泉を育てる」「『いい子』に育てないすすめ」
「子どものウソについて」「自立に必要な依存と反抗」
など、乳児期から思春期までそれぞれの発達段階で、
子育てをする際に心にとめておきたいことを、
子どもとその家族に向き合ってきた著者が、
その経験を踏まえて読者に語りかけます。

🌟目次
母性とは、父性とは
「元気のもと」を育む
「いい子」に育てないすすめ
感動と意欲の源泉
子どもと生活リズム
一緒に食卓を囲む
絵本を読み聞かせる
思いやりは身近な人とともに育つ
子どもと友だち
勉強と遊び
子どもと言葉遣い
子どもに言ってはいけない言葉
子どもに与えるもの、与えない物
子どものウソ
子どもを叱るとき
しつけは繰り返し教え、待つこと
怒り
親同士のコミュニケーション
子どもがいじめられているとわかったら
子どもがピンチのときこそ、親の出番
自律に必要な依存と反抗
大切なのは、黙って見守ること
思春期の反抗をどのように受け止めるか
なぜ子供は思春期につまずくのか
大人になることを恐れないで
離婚を子どもに伝えるとき
母子家庭、父子家庭で大切なこと
自閉症スペクトラムの子どもに寄せて①
自閉症スペクトラムの子どもに寄せて②
発達障害と司法
はじまりは親子の愛着から
豊かな人間性を育むもとを知る
いい母、いい子という価値観
あとがき

★どんな著者

佐々木正美 著
児童精神科医。1935年、群馬県前橋市に生まれる。
1966年、新潟大学医学部を卒業後、ブリティッシュ・コロンビア大学に留学し、
児童精神医学の臨床訓練を受ける。
帰国後、国立秩父学園(重度知的障害児居住施設)厚生技官、
東京大学医学部精神神経科助手(併任)文部教官を経て、
財団法人神奈川県児童医療福祉財団・小児療育相談センター所長、
社会福祉法人横浜市リハビリテーション事業団参与、
ノースカロライナ大学医学部精神科TEACCH部非常勤教授、
川崎医療福祉大学医療福祉学部教授を歴任。
専門は児童青年精神医学、ライフサイクル精神保健、
自閉症治療教育プログラム「TEACCH」研究。
糸賀一雄記念賞、保険文化省、朝日社会福祉省、
エリック・ショプラー生涯業績賞などを受賞。
『0歳からはじまる子育てノート』(日本評論社)、
『自閉症療育ハンドブック』(学研)、『子どもへのまなざし』シリーズ(福音館書店)
など、多数の著書がある。2017年6月永眠。

山脇百合子 画
絵本作家、挿絵画家。東京生まれ。上智大学卒業。
童話『いやいやえん』『かえるのエルタ』『らいおんみどりの日ようび』の挿絵、
絵本『ぐりとぐら』『そらいろのたね』『なぞなぞえほん』『くまさん くまさん』
(以上、福音館書店)など、実姉中川李枝子とのコンビの仕事が多数ある。
楽しい作品は、子どもばかりではなく外国でも高く評価されている。
『子どもへのまなざし』シリーズ(佐々木正美著 福音館書店)の挿絵も担当。
東京在住。

★学び

幸せを感じるとき

育ち盛りの子どもは、大人にくらべて、
肉体的な空腹感を大きく感じています。
だから、お母さんの「ご飯だよ!」という呼び声を、
どれほど待ちわびながら生活していたか、
多くの人々が懐かしく覚えていることでしょう。
そして、そのとき食卓に並んでいた料理の味や香りの
記憶と共に、母親が自分の好きなものを
特に用意してくれたという記憶も、すぐに甦ってきます。

わたしの家庭の中で、みんなと顔を合わせられる場所は
唯一、晩御飯の時間でした。

朝はバラバラの時間に起き、それぞれがご飯を盛り食べて、
それぞれ自分の学校や職場に行く。
一緒にいるのに、一緒にいない感覚。

その分、家族みんなと一緒に食べることのできる晩御飯は
わたしの中では特別幸せな時間で、
楽しい記憶しかありません。

もちろん、学校であった嫌だった話、
ニュースで流れる悲しい話をしたり、親に叱られたり、、
楽しい話ばかりだったわけではありません。

それでも、母が私たち兄妹を呼ぶ声、
部屋の畳の香り、
ずっと使っている茶色いテーブル、
美味しそうなご飯、

視覚・聴覚・嗅覚・味覚・触覚の五感から
幸せを感じ取っていたことを今でも覚えています。

喜びや悲しみの分かちあいは、
もっとも人間的な感情の交換であり、
人間性そのものの交流です。
人間が、人間としての機能を高めていくための必須の要件
であるコミュニケーションしあう力は、こうした食卓での分かちあいのように、
人と人が互いにたしかめあいながら、発達し、成熟していくものなのです。

食卓の優しく、温かく、楽しいあの空間が、
自分の感性を育てていたのだと、子としてとても誇らしく
嬉しく感じます。

安心感を創り出すこと

親、とりわけお母さんには、
思ったことを素直に話しても大丈夫、
叱られたり頭ごなしに否定されたりしない、
という安心感が胸にあれば、
「きっと友達にも受けいれてもらえる」と、自分を信じて、
人の輪に入っていけるのです。
こうした親の態度は、そのあと、
子どもが大きく成長していく過程でも非常に大切です。

わたしは小学校入りたての頃、
クラスのやんちゃな男の子によく意地悪を
されていたそうです。
家に帰ると、母に事細かに話をしていたそうです。
クラスメートの話、上級生に遊んでもらった話、
先生に褒められた話…
様々なことをよく話していたそうです。
大きくなってから母にこの話を聞きましたが、
覚えているものは全くありません。

ここで大事なのは、何を話しているかは全く関係ないということです。
そのころのわたしにとって、大事なことは、
母に話を聞いてもらうということだったのかもしれません。

母に愛されているんだ、守られているんだ
という感覚が「自分を信じる」ことに繋がり、
友だちと関わる勇気となっていたのかもしれませんね。

愛すること

子どもに限らず人間は、自分が他者から愛され、
大切にされている存在であると自覚することで、
自信や意欲や希望をもって、活動できるようになります。

子どもは、一番に親に愛されたいと願っています。
必ず子として産まれてきている私たちは
何歳になったとしても、「愛されている」「大切にされている」
と感じられることによって、自信をもつことができます。

子どもは親子間の愛着形成から、
人を信じて、自分を信じていきます。
自分と相手を信じることができるから、友だちや先生との
関係が円滑に進展していくのです。

子どもを育てる親もまた、子です。
子育て中の親御さんであっても、これから家庭を持つ人であっても、
自分の子どもを「愛すること」、
親に育てられてきた子である自分もまた「愛すること」
が大切であると感じます。

★こんな人にオススメ

『温かな人間関係の中でこそ、
人間は生きていることを実感できます。』
本書のあとがきで著者はこう述べています。

既にお子さんを育てているお父さん・お母さん
子どもに関わる全ての人
将来家庭をもつであろう若い世代の人
子として産まれてきた全ての人(つまり皆さんに!)

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